インターネットを巡る旅

もう一度「ソーシャルメディア」を考えよう 〜 人と繋がる双方向メディア

更新 :

「ソーシャルメディア」という言葉をご存知でしょうか?

 

ウェブ上での話題としては、もう既に一周しきったような、一時期の流行語のような印象すら抱く人もいるかもしれません。00年代前半に随所で語られ始め、インターネットの特徴を色濃く内包しているという、新しい形のメディア。

 

そんな「ソーシャルメディア」について、改めて整理してみようと思います。


「ソーシャルメディア(Social Media)」という言葉については、過去に次のような定義がされています。

 

インターネットに基づくアプリケーションの一群であって、Web2.0の思想的或いは技術的基礎付けの上に作られ、UGCを作りだし交換できるようにするもの((Kaplan Andreas M., Haenlein Michael(2010), Users of the world, unite! The challenges and opportunities of social media, Business Horizons, Vol. 53, Issue 1, p. 59-68))

 

……ちょっと耳慣れない単語がありますね。

ひとつずつ確認していきましょう。

 

今やほぼ廃れてしまった表現ではありますが、「Web2.0」とは、Tim O’Reilly氏らによって提唱された、ウェブの概念のひとつとされています。

 

旧来は情報の送り手と受け手が固定され送り手から受け手への一方的な流れであった状態が、送り手と受け手が流動化し誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したweb((Tim O’Reilly(2005), What Is Web 2.0 Design Patterns and Business Models for the Next Generation of Software, http://oreilly.com/web2/archive/what-is-web-20.html))

 

簡単に言い換えれば、「誰もが発信者として能動的に活動しているウェブの状態」のことであると言って差し支えないかと思います。

 

テレビ・新聞といった従来のメディアが発信し、視聴者・読者がそれを受信、消費するといった一方向ではなく、それまでの消費者も含めて、誰もが等しく情報の送受信を行なっている状態ですね。

 

ではもうひとつ、「UGC」とは何でしょうか。

 

Webサイトの利用者(ユーザ)によって制作・生成されたコンテンツ。電子掲示板(BBS)やブログ、プロフ、Wiki、SNS、ソーシャルブックマーク、動画投稿サイト、写真共有サイト、イラスト投稿サイトなどに書き込まれたり投稿されたコンテンツの総称((UGCとは 【 User-Generated Contents 】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典))

 

要するに、ネットユーザーによって作られたコンテンツのことですね。

Twitterの書き込みから、ブログの記事、YouTubeの動画、などなど。

 

これらを確認した上で、先ほどの定義にあった、“Web2.0の思想的或いは技術的基礎付けの上に作られ、UGCを作りだし交換できるようにする”、ソーシャルメディアとはどのようなものと言えるのでしょうか。

 

自分なりの言葉でまとめさせていただくと、次のようになります。

 

ソーシャルメディアとは、これまでのように一方的に情報を受け取るだけではなく、自らも発信者になれる場所であり、そこでは他の人と情報交換や交流をしながらあらゆるモノを作り出すことのできる新しいメディアのこと

 

正直、「え?何を今更?」と思われてもおかしくはないかと。

 

TwitterやFacebookなどのサービスにおいて、日常的、当たり前に、他のユーザーと交流している人がおそらく多いと思われるので。YouTubeやpixivといった、動画・イラストを投稿する、クリエイティブなサービスなら話は別かもしれませんが。

 

そうです。TwitterもFacebookもYouTubeもpixivも、等しくみんな「ソーシャルメディア」としてカテゴライズされるサービスです。

 

そこには、ユーザー同士の交流があり、プロではない、一般の人が作り出したコンテンツがあり、日々、様々な情報が交換されています。言わば、僕たちは、ソーシャルメディアを使ってコミュニケーションしていると言っても、過言ではありません。

 

それゆえ、これから記すのは、僕らが日常的に使っている各サービスについて整理し、再考するような内容となっております。多くの人にとって身近な、「当たり前」のサービスとは言え、使い方は様々。

 

決まった使い方のない、自由なサービスが増え、ネットリテラシーが語られる機会が減り、「炎上」や「マナー」などの問題も無視できなくなってきている今。

 

あえて、それら「ソーシャルメディア」について再度考えてみることは、個人としてネットを楽しく使うためだけではなく、Webで集客をするにあたっても、何かしらのヒントとなるはずです。Webで人を集めるにあたって、ユーザーと双方向的に関わることは、もはや避けられないものかと。

 

次回は、Twitterの特徴と現状について考えてみようと思います。

アバター画像

けいろー

フリーライター。ネットカルチャーと共に育ってきたゆとり世代。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレット等。

記事一覧はこちら

  • BLOG

ninoya inc.のお知らせ

この記事はいかがでしたか?

いいね!と思ったらボタンを何度でもタップ!いいね数はライターに届きます。

0LIKE

LIKE

ライターへ感想を送るライターへ感想を送る

Share

Follow on SNS

SNSとメルマガでninoyaの最新情報を配信中

メルマガ登録

メルマガ登録

週1回&酒と泪と女と女更新時にメルマガをお届けしています。

pagetop