現在、Twitterで公式アカウントを運用している企業は少なくありません。
誰もが名を知る有名企業から、地方の小さな会社や飲食店まで。
そして、よく耳にするのが、このような言葉。
「どうやって呟けばいいのか分からない!」
プレスリリースよろしく、淡々と新商品・サービスの情報を垂れ流すだけではつまらないし、かと言って、「企業の顔」でもある宣伝・広報のアカウントで、あまりぶっ飛んだことを言うわけにもいかないし……。
加えて、ユーザーや消費者から送られてくるリプライ(返信)に対して、どのように返せばいいのか、どの程度までやり取りをすればいいのかも、分からない。
そう、企業側からしても、Twitterは自由すぎるのです。
それゆえに、アカウントを作っても持て余してしまっているような。
でも、それではあまりにもったいない!
――ということで今回は、フォロワー数が多く、ユーザーの心を掴んだ魅力的な宣伝を行なっている、企業の公式アカウントと、その活用事例をご紹介します。
NHK広報局 (@NHK_PR)
有名な企業アカウントと言えば、どこでもまず挙がるのが、NHK広報局さん。
企業の名を冠したアカウントとして、他のどこよりも早くTwitterで頭角を表し、有名となりました。NHKっぽくない、「ユルい」ツイートが魅力。
このあと21:00からBSプレミアムは映画「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年)です。ゴジラ×メカゴジラ×松井秀喜さん。
— NHK広報局 (@NHK_PR) 2014, 7月 29
(゚ー゚*)。oO(「ゴジラ×メカゴジラ」に松井秀喜さんほんとに出るのに信じてもらえない…)
— NHK広報局 (@NHK_PR) 2014, 7月 29
SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP)
SHARPさんのTwitterアカウントも有名ですね。
あまり宣伝する気のないように見える、商品画像を使ったツイートが特徴的。
スイーツアクセブランド Q-pot. 弊社が 千ョ⊃レ→├な〒レヒ〃 ⊃<ったょ 電源オフで鏡になるょぉ http://t.co/YmtArPyBYhpic.twitter.com/YdifMgCUoc
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014, 8月 27
チョコレイトッ テレビッ チョコレイトッ テレビッ チョコレイトッ テレビッ ビッ ビッ ビッ → Q-pot. × SHARP pic.twitter.com/cDzdKtnDye
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014, 8月 27
あきらめたらそこで夏休み終了だよ
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014, 8月 31
株式会社タニタ (@TANITAofficial)
体重計や健康機器で有名なタニタさん。
各メディアでも話題になったタニタ食堂に行って呟くと、こちらのアカウントさんが返信してくださることも……?
恐れることはないんだよ ともだちになろう RT @okkabonbon: @TANITAofficial この世から体重計がなくなればいいのに…
— 株式会社タニタ(公式) (@TANITAofficial) 2014, 8月 20
※社長です pic.twitter.com/ElRGxybjWU — 株式会社タニタ(公式) (@TANITAofficial) 2014, 8月 29
電池変えのサインとして「Lo」と、表示されますのでそのタイミングで☆ RT @kattinyo: @TANITAofficial タニタさん、こんばんは。先程体重計乗った時にふと疑問に思ったのですが、電池の理想的な交換サイクルってどれくらいなのかなと思ってしまって…教えて頂けると — 株式会社タニタ(公式) (@TANITAofficial) 2014, 9月 3
笑いを取りに行く「ネタ」ツイートだけでなく、 お客さんの質問や疑問に対しても、割と頻繁に答えている印象の強い公式アカウントです。
東急ハンズ (@TokyuHands)
おなじみのホームセンター、東急ハンズさん。
新店舗や展開フェア、営業時間の変更などの業務連絡はもちろん、ユーザーさんからの無茶ぶりにも答える公式アカウントです。
今 年 も や り ま す ! ハ ン ズ メ ッ セ ! ☆ ノ (‘A) みんなおいでよ ( (7 < ヽ http://t.co/QgaGa3z9CK #HandsNow
— 東急ハンズ (@TokyuHands) 2014, 8月 27
4次元空間にでも行かない限り、見つけられないでしょう。ドラえもんにご相談ください。なお、弊社でのドラえもんのお取扱い開始は2112年9月を予定しております。 RT @Hitomi_Sugar 9月0日を探してます。どのフロアに売ってますか??
— 東急ハンズ (@TokyuHands) 2014, 9月 1
お金で買える彼女で、いいんですか? RT @244_chiyo 彼女が欲しいのですが、何売り場に置いてありますか?
— 東急ハンズ (@TokyuHands) 2014, 8月 14
井村屋株式会社 (@IMURAYA_DM)
「あずきバー」と言えば!井村屋さん。
自社商品の紹介をしたり、お客さんの感想ツイートを共有したり。
【きんつばアイス 感想】 一目「透けてるっ///」、一口目「餡たくさん(〃∇〃)」、二口目「餡の甘さ控えめ、まわりのミルクが良いアクセント!(*´ω`*)」、三口目「ふぇぇ…食べても食べても餡があるよぉ…///」 ŧ‹"ŧ‹" http://t.co/MPBYiVfN3p
— 井村屋株式会社 (@IMURAYA_DM) 2014, 8月 29
【業務連絡】弊社営業の皆様、多数のお客様が「焼いもアイス」をお探しです。多くのwebメディアにも「復活!」として取り上げてもらっています!さぁ張り切って営業を! 【採用担当者様】いいじゃぁ~、ないのぉ~、も、もうお客様の期待も最高なんだよぉ~、だからぁ、ねぇ~
— 井村屋株式会社 (@IMURAYA_DM) 2014, 9月 3
1896年生まれの、117ちゃい♪ http://t.co/37EIzqbxh4 RT @SHARP_JP: ( ´-).。oO(フォロワーさんの中で最高齢、いくつくらいなんだろう)
— 井村屋株式会社 (@IMURAYA_DM) 2014, 8月 28
企業アカウント同士のコラボレーション!
ひとつ上のツイートでも、SHARPさんと井村屋さんのアカウントが交流していますが、このような現象がそこら中で起こっているのも、Twitterならでは、ですね。
そう、Twitterで交流できる相手は、自社のお客様だけに限りません。
全く異種の企業さんとも話したり、さらには、それをきっかけにコラボレーションすることにまで発展したりするようなケースが、しばしばあります。
8/30~31はセガ×シャープ×パインアメ ただ形が似てるからというだけで実現した夢のコラボ企画『maimai LIVE 2014 ~洗濯祭~』!東京ビッグサイトTFTホールで開催されま( ´◎`)スー 遊びに来てくだパイン♪ pic.twitter.com/el42KWCkzT
— パインアメの【パイン株式会社】(公式) (@pain_ame) 2014, 8月 30
セガ×シャープ×パインアメ~Twitterから始まる企業コラボfeat.maimai~ – Togetterまとめ
ということで #銀英伝ニッセンコラボ 企画「わが征くは星の通販」、きょうより販売再開しました。よろしくお願い致します。 http://t.co/8Xc05AVeUnと pic.twitter.com/hIq6wXdvk6
— カタログ通販のニッセン (@nissen) 2014, 9月 3
ニッセンの公式アカウント「銀英伝好き」→わずか20分で銀英伝とのコラボが実現できる流れに – ねとらぼ
こんなことがあるからこそ、Twitterはおもしろいのです。
「宣伝」よりも「紹介」、「Q&A」よりも「交流」
ここで挙げられているアカウントを見ていると、その担当者さんの多くが、ソーシャルメディアの特色をしっかりと理解しているように感じられます。
その特色とは、一口に言えば「双方向性」のこと。
テレビや新聞といったマスメディアでは、情報の「発信者」と「受信者」(消費者)が明確に区別され、一方通行的にしか送受信ができませんでした。
しかし、ソーシャルメディアでは、誰もが同じ地平に立ち、平等に情報の送受信を行うことが可能です。それゆえ、一方的に宣伝して終わり、ではなく、その後の「交流」にも重きを置く必要が出てくるのです。
淡々と情報を発信、「宣伝」すると言うよりは、友人におすすめを教えてあげるような、「紹介」するような心持ちで。
お客様からの問い合わせに対して、事務的に回答するのではなく、ユーザー目線で雑談に興じながら、「交流」するような感覚で。
そうすることによって、ユーザーさんからの信頼を得たり、企業価値の向上に繋がったりということもあるでしょう。それだけでなく、アカウント運用者が「お客様目線」を培うことにすら繋がるかもしれません。
だからこそ、企業でTwitterアカウントを運用する場合には、何よりも、担当者がそれを「楽しんで」使うことが重要だと思います。
ユーザーさんとの交流を楽しみながら、自分にとっての「おすすめ」を熱意をもって紹介し、情報発信を続けていれば、自然とファンは増えるはず。
こんなにも手軽に、身近でお客様の声を聞くことができ、自らも楽しんで利用することで、企業価値を高めることが可能、さらに、他社さんとの交流やコラボにまで発展するかもしれないという、大きな可能性を秘めたTwitter。
これは、利用しない手はないのではないでしょうか?