11月下旬、ついに、かねてから予告されていた「ツイートボタンの数値表示の廃止」が断行されました。
メディア関係者の悲鳴は言うに及ばず、個人ブログを運営している人の話を聞いても、「他のソーシャルボタンは数値が表示されたままだから、見た目のバランスが悪いよねー」とデザインまわりの調整・対応に当たっている様子。数週間経ちましたが、まだ慣れないですし。
今回は、そんな「ツイートボタンの数値表示の廃止」を受けて発せられたメディア関係者の声と、個々の対処法についてまとめました。
数値廃止による影響と、今後の展望
ツイート数が表示されなくなった週明け、即座に記事を投稿して話題となっていたのが、「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんのブログ。「Twitterでのシェア数」が見えにくくなることで、ウェブ記事の評価基準・価値判断が変わってくるのではないか、と指摘しています。
これまで「ツイート数が良かったからOK!」と納得していたクライアント(広告主)の方々が、PV数偏向にならないのかが心配です。ことWeb編集者界隈ではPV評価絶対主義から距離を置いた方が、結果的に良質なメディアになるのでは?という意見が強くなっています。PV評価絶対主義の世界は消耗する。
そのうえで、コンテンツメーカーとしてはこれまでどおり、“良質なコンテンツ作り”に注力していくと書かれている一方で、「はてなブックマーク」をはじめとする独自のアルゴリズムを持ったサービスの存在感が高まってくるのでは、という話でまとめています。要チェックですね。
Twitterの終わりのはじまり?
昨今、「恋愛工学」で話題の作家・藤沢数希さんのブログ。ちょうどツイート数の非表示が断行される当日に、上記エントリを投稿しております。
本文では、ツイート数が個別記事の重要な指標であったと同時に、人為的にその数値を押し上げていた業者の存在にも簡単に触れています。しかし、そういった問題を力技で解決することによって、逆にFacebookなど他のSNSの影響力が高まるのではないか、と懸念しているようです。
まだ廃止から一ヶ月と経っていないため、何とも言えませんが……それでも、いちユーザーとしては、これが“終わりのはじまり”とならないことを祈るばかりです。
ツイート数が表示されていたバルーン内を任意のテキストに
こちらの「寝ログ」さんでは、ツイート数の表示廃止への対処法として、Twitter純正のボタンを利用したまま、ツイート数を表示していたバルーン内のテキストを任意のものにするカスタマイズを提案しています。
このように「リスト」などのテキストをバルーン内に表示しているメディアは多く、「朝日新聞デジタル」や「ITmediaニュース」などの大手サイトも同様の方法で対処しているようです。若干の違和感がなくはありませんが、じきに慣れるのではないでしょうか。
別サービスを利用して、ツイート数の表示を復活!
「ガジェット通信」では、digitiminimi社のサービス「count.jsoon」を利用することで、ツイート数の表示復活に成功しています。ツイート数が表示されなくなると聞いて、同社が新たに考えて実現したサービスだそうな。ありがたやありがたや。
先ほどの「寝ログ」さんでも、count.jsoonの基本的な使い方をまとめておられるので、「何をどうすればいいのかわからない……」という人は、ぜひ参考にさせていただきましょう。
オリジナルのツイートボタンを作ってしまう
するぷさんのブログ「和洋風KAI」では、「どうせならオリジナルのポップアップ型ツイートボタンを作ってしまおう」ということで、Javascriptを使った独自のボタンを紹介しています。
たしかに、最近は個人ブログでもオリジナルのソーシャルボタンを貼っているところも少なくないイメージがありますね。こちらでは、カスタマイズ可能なコードも共有してくださっているので、この機会に作ってしまうのもアリかもしれませんね。
まとめ
以上、いくつかのメディア関係者さんの声と、その対処法をまとめさせていただきました。ツイート数の表示廃止からまだあまり時間が経っていないこともあり、特に対策を講じていないウェブサイトもまだまだ多いという印象も。
特報っ!ツイートのカウント機能が終了しちゃったけど、トゥギャッターは独自技術により今までと全く変わりなくカウント出来てるのでこれまで以上に使ってくれると嬉しいなっ https://t.co/Pytc7ZDIeq pic.twitter.com/4PnpvO5gaB
— togetter_jp (@togetter_jp) 2015, 11月 22
「Togetter」のように変わらずツイート数を表示しているサイトもある一方、これを機にすべてのソーシャルボタンのシェア数表示をなくしたブログもちらほら見受けられる様子。各々の運営方針にもよるとは思いますが、しばらくは試行錯誤が続くとも予想されます。
個人的な思いとしては、前半にご紹介した柿次郎さんが書かれているとおり、数値が表示されようがなかろうが、“良質なコンテンツ作り”に取り組んでいくことに変わりはないのかな、と感じました。
モノの評価基準として「数字」はわかりやすいものではありますが、それだけに縛られ続けても、疲れてしまうのではないでしょうか。数字は数字で他メディアとの比較基準として念頭に置きつつ、個々の読者さんの感想にも、積極的に耳を傾けていきたいところです。