クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
先日、クラウドファウンディングサービス「CAMPFIRE」が、手数料を大きく下げるなどの発表をして話題となりました。一方では先日のまとめ記事でもご紹介したように、一口に「クラウドファウンディング」と言っても、多彩なサービスが登場してきているという現状があります。
各サイトで応援を募っている企画・提案を見てみると、その内容もさまざま。ですが中でも大勢の支援者を集め、ウェブ上でもシェアされているプロジェクトを上から確認してみると、支援を集めやすい「カテゴリー」があるようにも見受けられるんですよね。
そこで今回は、3つのクラウドファウンディングサービスから、最近1年以内でFacebookの「いいね!」をより多く獲得したプロジェクトを上位4位までまとめてみました。
それぞれのプロジェクト自体、あるいは記事の書き方などもとても興味深いものとなっておりますので、サービスを利用しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
CAMPFIRE
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)- クラウドファンディング
岐阜駅前に「人生が加速する出会いのある場所」を創りたい。(5,600いいね!)
レンタルスペース、コワーキングスペースとして、人が集う空間づくりを目指すプロジェクト。
奄美・加計呂麻島にゲストハウスを作って、人口減少を止めたい!(3,300いいね!)
ゲストハウスの運営資金を募集。地域の魅力をアピールし、移住希望者を増やす狙い。
森圭一郎 ハンドバイク日本縦断の旅 Love Hand Project Tour(2,500いいね!)
車椅子生活をするアーティスト名の日本縦断プロジェクト。バリアフリーの啓蒙活動としても。
紙とハサミだけで楽しめる伝統文化「きり紙」を世界中の子ども達に知ってもらいたい!(2,300いいね!)
伝統文化「きり紙」を世界に広めるための活動資金として。
Makuake
年貢を納めて村民に?!シェアビレッジ町村、村民1,000人募集します。(17,000いいね!)
「村」と見立てた田舎の古民家に参加し住まうプロジェクト。
マグネットでかんたん接続&取り外し、革新的な充電ケーブル!煩わしさを解消(10,300いいね!)
磁石を利用した充電ケーブル「マグネットケーブル」の販売企画。
《世界最小クラス》ポケットサイズの折りたたみ椅子を日本に広めたい!(7,900いいね!)
デンマーク発、折りたたみ式の小さな「椅子」の開発・販売プロジェクト。
「7つの習慣」の世界をボードゲームに!本ではできない体験を多くの人に届けたい(6,600いいね!)
名著『7つの習慣』をボードゲーム製品化する企画。
READYFOR
クラウドファンディング – READYFOR(レディーフォー)
ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト(78,300いいね!)
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の世界設定をそのまま再現する企画。残念ながら不成立。
沖縄離島の急病患者を救うために医療用飛行機を購入したい!(15,200いいね!)
沖縄の離島でも救急患者に対応するべく、民間医療用飛行機の購入資金を募る企画。
赤ちゃんを虐待死から救う「赤ちゃん縁組」事業を立ち上げたい!(11,800いいね!)
NPO法人による事業企画。赤ちゃん縁組の体制を作り上げるための資金として。
岡山ふるさと村にオーガニックライフなゲストハウスを作ります。(8,900いいね!)
岡山県の吹屋ふるさと村にゲストハウスを作るプロジェクト。
まとめ
以上、「CAMPFIRE」「Makuake」「READYFOR」の3つのクラウドファウンディングサイトより、Facebookの「いいね!」数上位4つのプロジェクトをまとめてみました。
これら以外にもクラウドファウンディングサイトは存在していますが、まずひとつの特徴として、それぞれのサービスごとに募集の多い、そして実際に支援を集めやすい「カテゴリー」があるように見受けられます。
もちろん、特定ジャンルに特化したサービスでないかぎり、どのサイトでも資金を募っているサービスは多種多様です。ただその中でも、サイトごとに「注目を集めやすいカテゴリー」があるのではないか、と。
本記事で取り上げたサイトで言うと、例えば「Makuake」には「プロダクト」カテゴリーのプロジェクトが特に多く存在しています。これは、運営元がサイバーエージェントであることなども含めて、最新の技術やガジェットに関心の高い層がチェックしているためだと考えられるでしょう。
また、いずれのサイトでも共通して人気、関心の高いプロジェクトとしては、「コミュニティ」「地域活性化」カテゴリーのものが挙げられます。ゲストハウスやサードプレイスとして、それも都市部ではない地域で立ち上げられた企画が、よく注目を集める傾向にあるようですね。
他方では、個人が何らかの目的でもって各地へ赴くための資金繰りとして立ち上げたところ、多くの支援を集めるプロジェクトもあります。本記事で言えば、「CAMPFIRE」で取り上げた企画の一部。個人の夢、あるいは社会貢献活動を応援する意味での支援となりますでしょうか。
ただし、旅費や活動資金を募集するにあたっては、注意しなくてはならない点もあります。
と言うのも、ページが削除されているため詳細は省きますが――上記「CAMPFIRE」内のプロジェクトとして、FBの「いいね!」数では5番目に入るほどにアクセスを集めた企画が過去にありました。しかし、それは良い意味での注目ではなく、いわゆる「炎上」だったのです。
支援ではなく批判を集める一因となったのは、一口に言えば「趣旨と目的に対して、資金の用途が整合性のあるものではなかった」ため。「世界の子供を救う」ことを趣旨として掲げていたのですが、具体的な方法を見ると「子供を救う」ことに主眼が置かれているようには感じられない文章となっており、資金の使い道も個人の旅費としか読めない内容でした。
この件に関しては、企画者が悪いと必ずしも断言できるものではありません。ですが、本件の反応を鑑みると、見ず知らずの他人から善意の支援を得るクラウドファウンディングにおいては、何よりもその「趣旨」と「丁寧な説明」が大切であると学び取れるのではないでしょうか。
クラウドファウンディングは、本気で何かに取り組む人を、周囲の人が本気で応援するための仕組みです。応援する側もされる側も、納得の行くような使い方をしていきたいものですね。