4月に開局した『AbemaTV』が話題です。
AbemaTVは、PC・スマートフォン向けのインターネットテレビ。サイバーエージェントとテレビ朝日の出資によって設立された株式会社AbemaTVが運営しており、ユーザーは基本無料で番組を視聴できるサービスとなっています。
そんなAbemaTVですが、地上波でも放映されている人気番組をネット上で配信するだけでなく、オリジナル番組にも力を入れているのが特徴。一方では、特に人気を集めている番組として、ちょっと懐かしい「アニメ」や「音楽番組」が注目を集めている一面もあるそうです。
具体的にどのような番組が放映されており、そして視聴者はどのように放送を楽しんでいるのか。少しだけ、その内容を覗いてみましょう!
『AbemaTV』って、どんなサービス?
『AbemaTV』の大きな特徴としてまず挙げられるのが、それがインターネット上で放送を見るサービスでありながら、どちらかと言えば“テレビ的”なスタイルでの視聴が基本となっている点です。
どういうことかと言うと、AbemaTVには「番組表」があるんですよね。投稿された動画をいつでも見ることができるYouTubeとは異なり、テレビ放送された番組をいつでも見られるNHKオンデマンドともちょっと違う形。
要するに、テレビと同じく、チャンネル別に決められた時間になると番組が放映されるスタイルを採用しており、「ネット動画」と言うよりは「テレビ番組」にほど近いサービスとなっているのです。
チャンネル数も豊富で、「AbemaNews」「ドラマ」「バラエティ」「スポーツ」「ペット」「アニメ」などなど20以上ものチャンネルで、さまざまな番組を24時間放送中。それらがすべて無料で、しかもスマートフォンでいつでもどこでも見られるというのだから驚きです。
実際、サービス開始2ヶ月の時点で400万ダウンロードを突破したという発表もあり、結構な注目を集めている話題のサービスと言って間違いないでしょう(参考:サイバーが続伸、AbemaTV累計400万DL突破と発表)。
また、放送終了後の番組を視聴できる「プレミアムプラン」も月額960円で提供中ということなので、コアなユーザーは少なからず登録しているとも考えられます。他の月額制動画サービスと比べても、料金はさほど変わりませんしね。
放送中の番組を覗いてみると……?
では、AbemaTVではどのような番組が放送されているのでしょうか。
一例として、先週末、6月26日(日)の番組表を見てみましょう。
夜の時間帯に目を向けると、音楽チャンネルでは2013年に開催された布袋寅泰さんのライブ映像、ドキュメンタリーでは2004年公開の映画『スーパーサイズ・ミー』といった、少し前のコンテンツが配信されている一方、バラエティチャンネルでは『フリースタイルダンジョン』が放送中。
ページを変えると、スポーツでは日本のプロバスケットボールの試合の録画放送、アニメでは『コードギアス』が2話分。さらには『とらドラ!』の一挙放送に、『地獄先生ぬ~べ~』『忍者ハットリくん』といった、チャンネルによって新旧入り乱れる編成になっていることがわかります。
特に「アニメ」に関してはラインナップが豊富で、現在はアニメだけで4つのチャンネルがあるようです。最近の作品の一挙放送はもちろん、『らんま1/2』『魔神英雄伝ワタル』といったなつかしアニメに、『パーマン』『あたしンち』『クレヨンしんちゃん』など家族で見られる作品も。
日別で更新されている全番組の視聴数ランキングを見ても、やはりアニメが人気ですね。こちらは1週間前、6月19日(日)のランキングですが、上位を軒並みアニメ番組が占めていることがわかります。平日は少しラインナップが異なり、ニュースやバラエティがよく見られている様子。
また、音楽番組も人気で、なかでも宇多田ヒカルさんのミュージックビデオを存分に楽しむことのできるこちらの番組は、累計視聴数が200万を突破したそうな。他にも、きゃりーぱみゅぱみゅさんやBUMP OF CHICKENなど、多彩なアーティストが取り上げられているようです。
20~30代ホイホイ……?
こうして人気の番組を見てみると、少し前に流行した作品あるいはアーティストを取り上げた番組が注目を集めていると言えますね。いわゆる“懐かしい”コンテンツ――時期からして、現在の20~30代くらいの世代が学生時代にハマっていたものが多いのでは……?
もともと「テレビから離れた層」をターゲットにしており、10~20代の視聴者が多いと予想していたが、実際は30代の男性層が多くなっているという。「30代の男性は新しいサービスに敏感な人が多いので、その層が注目して利用しているのではないか」という。
(AbemaTV、アプリダウンロードが300万超え 好調の理由は「コンテンツと使い勝手」 – ITmedia ビジネスオンライン)
実際、AbemaTVの担当者さんもこのように仰っているとのこと。“新しいサービスに敏感な”30代が試してみたところ、思いのほか魅力的な(懐かしい)番組が多く、スキマ時間に視聴している――というケースも少なからずあると言えそうです。あとは、どれだけ定着するか、ですね。
僕自身は20代の身ではありますが、同じくそういった「懐かしい」番組に惹かれている部分はあるように思います。加えて、「子供の頃に話題で、聞いたことはあるけど見ていなかった」作品もちらほらあり、大人になった今、それらを改めて楽しむことができている一面もあります。
他方ではアニメや音楽番組に留まらず、「AbemaPrime」や「原宿アベニュー」といった、「若者向け」を謳うニュース・情報番組も。今後はこういったオリジナル番組にも注目しつつ、このAbemaTVを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。