こんにちは、鬼龍院花枝です。
前回はディズニーの寮について話しました。今回は勤務地であるオーランドにて、不思議なご縁で出会った三味線の生徒さんについて話します。
日本館の和太鼓パフォーマンス「祭座」
日本館では日本の疑似体験ができるということは、以前の記事でも書いた通りです。
私たちが働く日本館では、食事と買い物以外でも日本文化を体験できるアクティビティーとして和太鼓パフォーマンスを毎日行っています。和太鼓パフォーマンスを行うのは「祭座」というグループで、日本館が出来た当時から演奏を続けています。屋外で行われる迫力の和太鼓パフォーマンスを日に5~6回行っています。
渡米後1ヶ月ほど経過した頃、この祭座のパフォーマーさんから和太鼓を教えてもらえるクラスがあることを知りました。
「形は違えど同じ邦楽、もしかしたら三味線を演奏できる糸口が見つかるのでは…?」
と考え、祭座の和太鼓クラスへ通うことになったのです。
オーランドの和太鼓道場で出会った生徒さん
和太鼓クラスに通い始めたことがきっかけで、祭座のメンバーさんと知り合う機会ができました。ある日、道場で三味線を演奏していると、興味深そうに演奏を聴かれている女性の方に出会います。その方が私のオーランドでの一番弟子となった女性でした。
その女性はオーランドに長く住まれており、三味線もお稽古したことがあったそうです。何より驚きだったのが、私が渡米する数ヶ月前までオーランドには三味線の先生がいらっしゃったということ!三味線の先生が家庭の事情でオーランドを引っ越すことになり、せっかくお稽古用に買った三味線を弾く機会を失ってしまった…
と思っていた矢先に私と出会い「これは何かの運命に違いない!」と思ってくださり、お稽古を始めることとなりました。
渡米後2ヶ月目に始まった三味線教室
三味線を教えることとなってからは、話がとんとん拍子に進みました。
私が休み、もしくは半休の日を使い、月に2回お稽古することになりました。場所は稽古場がありませんでしたので、その方のご自宅でお稽古することになりました。
もしかしたらオーランドで三味線を教えることになるかもしれないな、と思っていたわけではありませんが、一応荷物の中に入れておいたテキストをコピーし、アメリカでの初めての三味線教室が始まりました。この時、渡米から約2ヶ月後のことでした。
最終的には3名の生徒さんに恵まれ、その当時の生徒さんとは今でも連絡を取り続けています。昨年9月にオーランドに再訪した時も、温かく迎えて下さりました。
豊かな人間関係を築くきっかけとなった三味線
アメリカのディズニーで働いている期間中に三味線を教える機会に恵まれたことは、貴重な経験の一つとして思い出深く残っています。
三味線を教えた経験というより、”三味線を教えられる技術が誰かを喜ばせる一つの手段”になっている、と実感できたことが私にとっての大きな収穫でした。そして、現地に長く住まれている生徒さんから教えてもらったオーランドの生活情報は私のオーランド生活をより豊かなものにしてくれていたと思います。
面白い経験では、生徒さんからコスタ・リカ旅行を熱心にオススメされ、本当にコスタ・リカに行ったこと。そして、ディズニーでの就労期間を終えた後、2週間ほど生徒さんのご自宅に滞在させて頂いたことなども楽しい思い出です。
たった1年間のアメリカ生活でしたが、これほど豊かな人間関係が築けたことは三味線の土台無くしては得られなかったものだ…と、生徒さんへの感謝の気持を込めて今でも思います。