前回、当月にリリースされたサービスとして、「7月に注目を集めたWebサービス4選」をまとめました。今回は主に「話題になったWebサイト」と題して、いくつかのトピックを取り上げています。
黒歴史トリオ|日清食品
日清食品の商品PRページ。
先月は『魔女の宅急便』をモチーフにしたカップヌードルのプロモーションが話題になっていましたが、今回は「黒歴史トリオ」と題した企画。過去に同社が発売してきた夏の限定商品、そのうち3つを自ら「黒歴史」と認定して再発売するという、何とも自虐的なPRとなっています。
純粋な「ネタ」としておもしろいだけでなく、人によっては「あるあるネタ」としても読めるのではないでしょうか。実際に「やっちまった系商品」を過去に開発・販売したことのあるメーカーの会社員にとっては、胃痛を感じつつも共感できてしまうはず……。
頂〈いただき〉|サントリー
サントリーの製品情報ページ。
現在は公開中止となっていますが、「絶頂うまい出張」と題して展開された動画が炎上。内容が不適切だとして数多くの批判を集めました。詳細は、BuzzFeedの記事などでわかりやすくまとめられています(参考リンク:サントリーのビールCM炎上の舞台裏 電通社員「炎上を狙うことがある」)。
必ずしも批判一色だったというわけではなかったという印象もある一方で、BuzzFeedの記事によれば、ほぼ「炎上狙い」の広告だったという話も出ています。結局は批判の声に押される形で削除する――という形で終わった点も含め、広告・PRの在り方を考えさせられる出来事でした。
涼・宮城の夏|仙台・宮城
仙台・宮城の観光PRページ。
壇蜜さんが出演しているスペシャルムービーが「卑猥」だとして、一部で批判を集めました。こちらは前述のサントリーのように「炎上」したというよりは「賛否両論」という印象も強く、PR動画も継続して公開中です(関連リンク:壇蜜主演 【涼・宮城の夏】仙台・宮城観光PR動画)。
批判の声を見るかぎりでは、「壇蜜さんのキャラクターを押し出した動画」としては自然に感じる一方で、「仙台・宮城のPR動画」として見ると問題があるのではないか、という意見が少なからずあるようです。
ウサミンnet.|安部菜々非公式ファンページ
「インターネット黎明期の個人サイト」を再現したページ。
ダミーエンター、キリ番報告の注意書き、MIDI、お絵かき掲示板、iframeを使ったページ構成など、90年代~00年代前半にかけての個人ホームページを忠実に再現したサイト。こちらとは無関係ですが、Twitterでは「#インターネット老人会」のハッシュタグも盛り上がっていますね。
“永遠の17歳”を自称する『アイドルマスターシンデレラガールズ』のキャラクター「安部菜々の非公式ファンページ」という体裁を取っているため、同作品を知っている人にとっては、キャラならではのおもしろさと“うわキツ”を感じられる、一粒で二度おいしいサイトとなっています。
まとめ
以上、7月に話題になったWebサイトでした。
こうして見ると、最近は大手企業でもかなり尖った商品PRを展開している一方で、明らかに「やりすぎ」と感じられる広告も目立つようになってきたという印象があります。
もちろん、結局のところは個人個人の受け取り方次第であり、「そこまで目くじらを立てなくてもいいんじゃ……」と言えそうなものもあります。ただ、これまで以上に、「消費者からどのように受け取られるか」を意識したコンテンツづくりが重要になってきていることは間違いでしょう。