ハッピーキャリアのつくりかた

夫がどんなにイクメンでも妻が納得することはない?

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さて、本題です。

 

昨年末から「サイボウズ」が公開したワーママを描いた動画が物議を醸していますね。

 

サイボウズワークスタイルムービー

第一弾「大丈夫」&第二弾「パパにしかできないこと」

 

 

特に第二弾の「パパにしかできないこと」については、「やさしい言葉ひとつでがんばれちゃうんだから奥様のことギューしてあげて」という結論に、「ギューする時間があったら1枚でもいいから皿洗え」「ママにしかできないことなんて、ほんとは産むことと母乳を出すことくらい。育児のほとんどはパパでもできる」など、当のワーママたちからは、少々手厳しい反応が寄せられているようです。

 

私も5歳児の育児真っ最中でして、いちワーママであり、女性のキャリアの専門家として、この動画に対する感想として、誤解を恐れずに言うならば、どんなに夫が家事や育児に協力的であったとしても、ワーママの夫に対するストレスはなくならないだろうなと。それは男女の脳の違いに起因していると私は考えています。

 

夫の隠し事は妻にはバレバレ

「夫の隠し事は妻にはバレバレ」と言うのは、男女脳論を展開する黒川伊保子氏。何百世代にも渡って子育てをしてきた女脳は、「目の前の大切なもののささいな変化を見逃さず、問題解決のために人生の記憶を総動員して瞬時に答えを出す」という機能を培ってきたそうです。一節によれば、女性は相手の顔の数十種類に渡る筋肉の動きを区別することができるとか!? つまり、ささいな信号をキャッチする天才なのです。この能力によって、どれだけの夫たちが妻にダイヤの指輪をプレゼントするはめになったことでしょう(笑)。

 

そういわれてみれば、私自身「彼ができたことを一瞬で見抜く」という特技を持っていて、会社員時代しかり、現在代表を務めるはぴきゃりアカデミーの受講生たちからも「なんでわかったんですか!?」と驚かれます。きっと私の脳みその中に「彼氏できたときプロファイル」があって、無意識のうちに照合し答えを出しているのだと思います。

 

この女脳の働きは、仕事の場面でも大いに役立ちます。たとえば、人事の女性で「次に辞めそうな人がなんとなくわかる」という人は少なくありません。何事においても、先手が打てるのは有利なことに違いありません。

 

切なすぎる夫たち

翻って男性です。女性とのもっとも大きな違いは空間認識力が高いことです。場所でも組織の序列でも、まずは全体を認識し、自分の立ち位置を瞬時に把握することが得意です。「男は地図が読める」というのは、空間認識力のなせる業。我が家の息子も、5歳にして一度通った場所は「ここは○○ちゃん家に行くときに通った道だよね」「次を左に曲がったらばーばの家だよね」などと言うので何度通っても道が覚えられない母は驚くばかりです(笑)。

 

近くよりも遠くのもの、主観よりも客観を大事にするフェアな男脳。目の前のことに頓着しないからこそ、大きな夢に思いを馳せつつ現在位置を確認しながら粛々と仕事をこなします。ノーベル物理学賞などの自然科学分野での受賞者は男性が大半を占めるのも頷けます。

 

話を戻すと、なぜ夫がどんなにイクメンであっても妻が納得することはないのかというと、それでなくても、「察して先んじてフォローする」のが得意な女性たちです。育児中ともなれば、その能力はさらに磨きがかかります。しかしながら、前述の通り、夫は目の前のことには疎いという性質なのです。自分が朝食の支度をしている間に子どもの着替えを済ませてくれるとか、テーブルを片付けてくれるとか、自分だったら当たり前に気づいてやっているだろうことを夫に期待してしまうのはわかりますが、残念ながらそれは機能が違うので無理というものなのです。

 

つまり、夫がいくら家事や育児に関わっても、「かゆいところに手が届かない」ので妻からイライラされるわけです・・・。切なすぎる・・・。

 

では、どうすればよいかというと、まずは「自分と夫は機能が違う」ことを認識すること。これだけでも、随分とストレスは軽減すると思います。

 

男という生き物を理解する

その上で、夫の機能を理解した発注をすることです。察することが苦手な男脳にとっては、「習慣的に責務を果たしてもらう」のがベスト。そう考えると、ゴミ出し担当、朝or夕方の送り迎えなどは理にかなっていると言えるでしょう。

 

一度、家事や育児の業務をすべて書き出して夫婦で眺めてみるのもいいと思います。何しろ、全体像が把握できることで、安心し、自分の立ち位置を理解できるのが男性なのですから。

 

最後に、目先のことにとらわれすぎて、先のことをイメージするのがどうも苦手な女性たち。つい目の前のことをこなすことでいっぱいいっぱいになりがちですが、手のかかる時期はあっという間に過ぎていくものだと先輩ワーママたちは口を揃えて言います。

 

私自身、年末は息子がインフルエンザ→溶連菌感染と、月の半分が開店休業状態となりました。仕事はたまるし、息子は予定していたイベントすべてに参加できず、めずらしく落ちこんだりもしましたが、「こんなこともあと何年?」なんて、視点をちょっと遠くに持っていくと、急に愛おしい時間に思えてきました。(単純?)年明け、「5歳のクリスマスは大変だったよねー」と我が家ではすでに笑い話となっています。

 

とはいえ、動画「大丈夫」なくらい疲れているなら、育児を自分の働き方を見直すきっかけにするのもありかもしれません。多くはありませんが、週休4日や在宅で正社員として働くワーママたちも出てきています。私もたまたま職住近接です。もちろん誰にでもできることではないかもしれませんが、「ひょっとしてやれないか?」と考えてみないことには何も始まりません。

 

ワーママのみなさま、お互い、かけがえのないこの瞬間を味わい尽くしましょうね!

 

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金沢 悦子

株式会社はぴきゃり代表取締役。1991年リクルートに入社。新人MVP賞を受賞。2001年、日本初の総合職女性向け転職誌「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊、編集長に就任。2005年独立、2011年より「はぴきゃりアカデミー」を運営。統計心理学i-colorを通じた独自メソッドで年間300人超の女性のキャリアを支援する。講演依頼はこちら

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