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インスタグラムを企業PRに活用するポイントとは?SNS専門家に聞く、フォロワーとの交流でファンを育む運用方法〜株式会社ふたつぶ 代表取締役 福田基広さん〜

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PRの有効な手段として注目されている「Instagram(インスタグラム)」。具体的な活用方法やメリットが分からずに活用できていない経営者やPR・広報担当の方も多いのではないでしょうか。

今回は、ソーシャルプランナー・メディアクリエイターとして活躍中の福田基広さんにお話を伺いました。

 

福田さんは、株式会社ふたつぶ 代表取締役として、法人や個人に向けたメディアコンサルティングを提供。全国でも数少ないメディアマーケティング会社として、上場企業でのインスタグラマー育成研修や、全国総受講者数が1800名を超える「インスタグラム活用講座」の人気講師も務められており、近年では大学にてソーシャルメディア論の講師も担当されています。

多方面で活躍する福田さんに、PRライターの山本英貴が「インスタグラムを活用したPR」について取材しました。

 

ユーザーとの積極的な「交流」がPRにつながる

───福田さんが考える「PR」とは何でしょうか。

福田基広(以下、福田):PRとは、噛み砕いていうと「ユーザーとの関係性を深めてファンになってもらうこと」だと考えてください。

今は、価格やスペックを一方的に伝えるだけでは、物を売るのが難しい時代ですよね。だからこそ、ファンが必要です。商品を優先的に購入してくれるだけでなく、企業の一挙手一投足を追いかけてくれる人たちの存在はとても大きいです。

 

ファンづくりの手段はいくつもありますが、当社ではユーザーとの「交流」が最重要だと考えています。

たとえば、PRの成功事例として有名な、株式会社明治の看板商品「きのこの山」と「たけのこの里」の人気投票を募るキャンペーン。「私はきのこ派、たけのこ派」と意思表示しながら商品を購入する人が増え、新しい企画に期待するファンが生まれています

 

当社でもこのようなユーザー参加型のPR支援をしています。成功事例として多いのはインスタグラムを活用したキャンペーンです。インスタグラムは交流機能が充実しており、アンケートを設定して意見を求めたり、ライブ映像を配信してリアルタイムで会話したり、ユーザーとのつながりを持てるだけでなく、関係性を深めることもできるので、ファンづくりには最適なツールだと考えています。

 

 

───実際に、福田さんがインスタグラムをPRに活用した事例を教えてください。

福田:2019年の4月から、福岡県にある「イオンモール香椎浜」で、インスタグラムを活用したPRを実施しています。

館内にインスタ映えスポットを設置。ハッシュタグ「#イオンモール香椎浜」をつけて撮影した写真を投稿してもらい、抽選でお買い物券をプレゼントするキャンペーン企画です。

開始から1か月ほどで、キャンペーンを拡散してくれるフォロワーが急増。イオンモール香椎浜に来館する客層の幅が広がり、各店舗の客足も伸びています。

また、企画担当者が館内を歩くたびに、「インスタグラム見てるよー!」とお客さまから声をかけてもらう光景も見られるようになりました。現在もアカウントとキャンペーンは継続しており、インスタグラムの内側と外側でファンが着実に増えています

 

視覚的に交流できるSNS、インスタグラムがPRに活用できる理由

───インスタグラムをPRに活用するメリットは何でしょうか。

福田:ほかのSNSと比較して、インスタグラムには主に2つのメリットがあります。

1つめは、ユーザー層が絞られていないこと。全世界で約10億人、日本で約3000万人が利用しているため、幅広い年齢層にリーチできる「フラットなSNS」なんです。

2つめは、ユーザーとの交流機能が備わっていること。短時間の動画や写真を気軽にシェアできる「ストーリーズ(※1)」は、キャンペーン告知のほか、アンケート設定を活かせば商品のABテストにも応用できます。

 

また、ライブ配信機能「インスタライブ」では、商品に対する不安や質問をリアルタイムで受け付けて、信頼感を強めることができるんです。幅広いユーザーに対して、「コメント」や「いいね」にとどまらない多様な交流を生み出し、関係性を深められるのがインスタグラムの特徴です。

 

 

 

───PRにインスタグラムを活用するには、どうすればいいのでしょうか。

福田:まずは、ユーザーが求める情報を写真や動画で投稿しましょう。先ほどご紹介した「イオンモール香椎浜」では、各店舗の新商品やキャンペーン告知、スタッフの働く姿を投稿。

フォロワーからのコメントに対する返信をこまめに行うことで、少しずつ関係性を築いていきます。その後、ストーリーズやインスタライブでの交流も行なっていきましょう

 

たとえば、現在、とある上場企業の販売スタッフや代理店様を「インフルエンサー」に育てる研修事業に取り組んでいます。商品の使用シーンをストーリーズで配信したり、インスタライブで質問に直接答えたり

フォロワーからの信頼を着実に積み上げ、講座開催期間内にお客さま獲得数が全国3位にまで成長した方もいます。

フォロワー数は、将来のファンの数。どうすれば喜んでもらえるのかを考えながら、インスタグラムの特徴を最大限に活かしましょう。

 

フォロワーの数を増やすより、質を追求する

───インスタグラムを運用する上で、心がけるべきことは何でしょうか。

福田:目に見える成果としてフォロワー数を増やそうとしてしまいがちですが、それよりも1人ひとりとの関係性を深めることのほうがはるかに大切です。

たとえば、1万人のフォロワーがいても、投稿に対する反応がなければ意味がないですよね。100人のフォロワーでも、ほぼ全員が反応してくれるアカウントのほうが価値がありますし、PRが成功しているといえます。

 

運用する上で重視するのは、フォロワーとの関係性。当社が支援する企業では、毎月の運用会議で「フォロワー数をいくらにするか」ではなく「今月はどのような内容で、どれくらいの交流をするか?」を話し合います。

「インスタライブでは、何%が確実に観てくれるか」「投稿に対して、どのような内容のコメントを返してくれるか」など、反応率や投稿に対する熱量を確認しながら、次の交流を企画していきましょう。

 

 

───最後に、これからPRに取り組みたい方へのメッセージをお願いします。

福田:くり返しになりますが、フォロワーの数を増やすこと以上に、交流を大切にしてください。目の前にいる1人ひとりとの関係性を深めることが、着実にファンの心を育んでいきます

 

もし、どのように活用すればいいのか分からなければ、それこそ交流するチャンスです。

たとえば、ストーリーズを使って、「インスタグラムの活用方法について意見やアイデアをいただけませんか?インスタライブを配信するので、教えてください!」と素直に呼びかけてみましょう。一緒にアカウントを育てていく姿勢が企業に対する愛着を育み、ファン化につながっていきます

 

そして、忘れてはいけないのが、自分もフォロワーと一緒に交流を楽しむこと

インスタグラムを活用したPRは、「提供する側」も「受け取る側」もワクワクできることがポイントです。飾ることなく等身大で、交流を楽しみながら、ファンをつくっていきましょう!

 

インタビューを終えて

今回、インタビューを担当した山本英貴です。ソーシャルアドバイザーであり、メディアクリエイターの福田さんのお話を聞いて、インスタグラムは企業のPR活動におけるファンづくりに有効な手段であることが分かりました。

利用しているユーザー層の幅が広いため、業界や商品・サービスの種類に関係なく活用できます。また、ストーリーズやインスタライブでいろんな交流を試しながら関係性を深められます。

 

目の前にいる人たちとの関係性を丁寧に深めることで、フォロワーの数やいいねの数では測れない、熱量にあふれたファンを育める。このようなPRに取り組みたい企業の担当者の方は、インスタグラムを活用してみてはいかがでしょうか。

 

(※1)インスタグラムの正式名称を「ストーリーズ(Stories)」。一般的には「ストーリー」とも呼ばれている。

 

(取材・執筆:PRライター 山本英貴)

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