Webライターになりたくて。

おしえて!先輩Webライターvol.12 明石悠佳(@akyska)さん

今回は、サイボウズ株式会社のオウンドメディア「サイボウズ式」の副編集長である明石悠佳(@akyska)さんにお話を伺いました。明石さんの活躍はサイボウズ式でのお仕事に留まらず、社外でも編集者・ライターとして引っ張りだこ。noteに綴る優しい文章もとても印象的です。

このお仕事をすることになったきっかけから、ライター・編集者にとって大切な感性の磨き方、社内外で活躍するための心得まで、明石さんにだからこそ聞けることを、教えていただきました。

(文/池山由希子)

 

きっかけは本屋でのアルバイト。「人を変える文章の力」を信じて編集者に。

 

───編集者になったきっかけを教えていただけますか?

 

明石悠佳さん(以下、敬称略):いま勤めているサイボウズという会社で、オウンドメディア「サイボウズ式」の編集担当になったことがきっかけです。

 

大学生の頃から編集者を志望していて、もともとは出版社に勤めたいと思っていました。結局、縁あってサイボウズに新卒入社し2年間違う部署にいたのですが、編集者になりたいという気持ちはずっと変わらず。「サイボウズ式を担当したい」とあらゆる場面で言い続け、念願叶って配属となりました。

 

───そもそも編集者になりたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

明石:大学時代に本屋さんでアルバイトをして、「文章には人を変える力がある」と気づいたことがきっかけです。たくさんの本、いろいろな人の文章を読むうちに、人の言葉や文章に心が動かされることがあるんだなと気づいて。自分も作り手側に回りたいと思うようになりました。

 

文章では、現実世界より赤裸々に自身の価値観を表現している人が多く、それに触れることで人生が変わる可能性は無限大。私自身、文章を読むことで多様な価値観や考え方を知り、「否定すべき価値観はないのだな」と気づきました。

 

明石:こうした体験から、文章の作り手側になりたいと強く願うようになりましたが、私の中にすごく伝えたいことがあるというより、素敵な思いを持っている方の媒介者になりたいと考え、編集者を志望するようになって。実際に仕事として編集に携わってみると、編集とは文章にとどまらず、人や情報を組み合わせ、さまざまなステークホルダーの方と関わり合いながら伝えたいことを形にしていく、面白い職業だなとあらためて思います。

 

今はサイボウズ式の編集部として、「チームワークあふれる社会を創る」というサイボウズの理念に沿った記事や、新しい働き方を提唱する記事などを企画したり、副社長の書籍を作るプロジェクトに携わったりしています。

そのほかにも複業で、違う分野での書籍や雑誌の編集、Webメディアでのライティングなど、サイボウズ式ではできないようなお仕事にも挑戦中です。

 

等身大の考え・悩みを糧に、ターゲットに刺さる企画を。

 

───得意なジャンルを教えていただけますか?

 

明石:自分自身の悩みや、等身大の考えを企画にするのが得意です。

 

例えば一昨年、サイボウズ式の「ブロガーズ・コラム」というコーナーで、仕事で感じる無力感にどう向き合うべきかという特集を組んだんです。

 

当時私はサイボウズ式に配属になったばかりで、周りにはベテランで素晴らしい先輩がたくさんいて、そのなかで自分ができることは一握りだな、無力だなと感じることがあって。同期や後輩の日報を読んだりTwitterをみたりしても、同じことを感じている人が一定数いたので、この無力感はきっと新卒3年目くらいにぶち当たる壁なのではと気付いて企画を立てました。

 

この企画は予想通り多くの反響もいただいたし、なりより私自身が初稿を読みながらジーンとしてしまって(笑)。

 

自分の等身大の考えや悩みを企画につなげ、記事を作っていく。こうした「いち読者」としての目線を大切にしたいし、私は編集者ですが、これからもずっと「一番の読者」でありたいと思っています。そのためにも、自分の日々の違和感には敏感でいたいですね。

 

<参考>
自分を無力と感じがちなあなたへ
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001191.html

 

───素敵ですね。ライターさん方と明石さんの関係性がすごく良いのはTwitterのやり取りなどで拝見していましたが、それもそのはずだなあとすごく納得しました。noteに書かれている文章もいつも繊細で優しくて、素敵です。あれは趣味で書かれているのですか?

 

明石:noteは完全に趣味です(笑)。noteを書くようになったのは、編集者にとって大切な感性を磨きたいという理由から。

 

「感性を磨く」とは私にとって、自分がいま何を感じているか、どういうことに興味を持っているか、などをきちんと言葉に落とし込むということです。感情や悩み、考えを無視せずに言語化し、自分がどんなフィルターを通して世界をみているのか、きちんと残しておきたい。そう思ってnoteを書き始めました。

 

先ほど、自分の悩みが企画になるということを言いましたが、つまり編集者として良い企画を作るには、普段からいまの自分の感情を無視しないこと、書き残していくことが大切だなと。

 

───それがサイボウズ式の企画に繋がったりするということですね。

 

明石:そうですね。あとは純粋に、書くことが楽しいです。

 

 

───今までで印象的だった案件は何ですか?

 

明石:いっぱいある(笑)!

いっぱいあるけど、自分が作った記事がきっかけで、誰かと誰かがつながること、何かが動き出すことは本当に嬉しいですね。

 

たとえば以前、Forbes JAPANさんで『MUKU』という知的障がいのあるアーティストが描くブランドを作っている方々を取材したことがあったのですが、その記事がきっかけで、ずっとMUKUに紹介できたらいいなあと思っていた方をご紹介できたことがあったんです。

 

 

そういった、良い出会いのきっかけになる瞬間を感じれることは、まさに自分が「媒介者」になれたんだ、と編集者・ライター冥利に尽きますね。

 

<参考>
福祉を「エンタメ化」したい 知的障がい者と社会の接点を生む27歳の双子
https://forbesjapan.com/articles/detail/22098

社内と社外、本業と複業。垣根を超えて挑戦し、会社と掛け算な関係を目指す。

 

───もともと出版社に入りたかったとおっしゃっていましたが、サイボウズにはどのような経緯で入社されたのですか。

 

明石:出版社を志望していたけれど、就活っていろいろな会社をみる機会でもあるし、出版社しか眼中に入れないことも狭き門でリスクじゃないですか。両親にもせっかく4年間、大学に行かせてもらったわけだし、就職はしたかった。

 

というわけでたくさんの会社、たぶん50社くらいは説明会に行ったりOB訪問をしたりしたのですが、器用なタイプではないので本当に好きになれる会社だけを受けようって決めたんですね。働く人、環境、お給料、会社のビジョン、社長の方針。全て納得できる会社しか受けたくない、と。そうしたらサイボウズしか残らなかったんです(笑)。

逆にサイボウズは全部がピタッと素敵やなと思えて。しかもオウンドメディアの編集もある。新卒でその部署に入ることができないのはもともと知っていたのですが、ここでなら将来的に自分がやりたいと思っている編集もできるなと、入社を決めました。

 

───では最後に、編集者のお仕事を他の人にも勧めたいと思いますか?

 

明石:人に勧めるかどうかは、それぞれのやりたいことにもよるので、一概には言えないかなあと思います。でも、すごくやりがいのある楽しい仕事だなって個人的には思います。

 

編集者とは媒介者なので、いろいろな人や情報をつなぐ役割を担っています。だからこそ、人や情報に興味があることは大事なんじゃないかなあ。今、人はどんなことに興味を持っているんだろうとか、この人とこの人を掛け合わせたら面白くなりそう、とか、自分でどんどんネットワークを作っていって、いざ「こんなことがやりたい」と思った時に実現しやすい環境を整えておく、とか。

 

 

 

明石:これからも、会社だからこそ出来ること、複業として社外だからこそ出来ること、その両方で、どんどん編集者・ライターとして「伝える」仕事に挑戦していきたいなと思います。

会社の名前を使って自分が成長して、自分の名前使って会社も良くなって。そんな掛け算な関係を目指しています。

 

───社内外で活躍され、いろいろな場所で愛されている明石さんならではのお話、ありがとうございました。これからも明石さんのnote楽しみにしています。

 

 

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池山由希子

生涯を通じて好きなのは、歌うこと、踊ること、ねこ。タイトル通り、Webライターになりたいのです。

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