※この記事は期間限定公開です。必要に応じてメモやブックマークをおすすめいたします。
前節ではSEOの基本的な考え方と、顕在キーワード、潜在キーワードについてお伝えしました。
概要は分かった! よし、いますぐ記事を書こう。そんな気分になったかもしれませんがもう少々お付き合いください。闇雲に記事を書いても集客は簡単には行きません。
弊社では次の3つのツールを使って集客への筋道を立てます。
- キーワードリスト
- カスタマージャーニーマップ
- コンテンツマップ
順に説明します。
キーワードリストとは
まず、集客を試みるキーワードをざっくり100記事分程度ピックアップします。バランスとしては顕在キーワード7:潜在キーワード3がベースです。
以下は「Web担当 一人」で上位表示を得ている「一人Web担教習所」のキーワードリストの一部です。
大手ほど顕在キーワードを重視しますし、小規模な事業ほど潜在キーワードを重視した方が費用対効果のバランスが良いです。いずれにしても執筆するのは顕在キーワードからです。
なお、集客を試みたいホームページのCVRが分かれば、キーワードリストを作る時点でおおよそのCV予測もできます。
※CVR・CVについて分からない方はこちら
コンバージョンを予測する計算式は以下の通りです。
キーワード数×記事ごとの予測UU×CVR=予測CV
例えばCVRが0.8%、記事ごとの予測UUを低めに見積もって10人とするとこんな計算になります。
キーワード数100件×10UU×CVR0.8%=CV8件
これから100件記事を書けば、月に8件の問合せは見込めるという計算ですね。
キーワードを何件ピックアップするのか。そのキーワードについて誰が書くのか(内製か外注か)。いつまでにすべてのキーワードを書き終えるのか。
こうしたオウンドメディアの運営にまつわる最低限の決めごとも同時に考えていきます。
カスタマージャーニーマップ
キーワードリストに基づいて記事を書く。それだけでは売上につながりません。そこで集客した読者が実際に決済を行う立までの、態度の変容について考えるのがカスタマージャーニーマップです。
書き方は諸説ありますが、ポイントは「美しく作らない」ことです。実際、このninoyaブログ用につくったマップもお見せできるような整ったものではありません。
画像検索すると優れた図解が多数出ますが、重要なのは見た目ではなく中身です。あるいは制作にあたって考えた思考の過程です。
私たちは以下の手順で制作しています。
- 認知:どんな人を
- 興味喚起:どこに連れてきて
- 比較検討:どこに誘導して
- 申込:どう申し込んでもらい
- 決済:どのように契約を得るか
ninoyaブログに置き換えて考えてみましょう。
認知:どんな人を
自身で自発的にWeb集客について検索されており、決済権を持つ売上10〜30億円のマーケティング担当者。社内Webディレクターや馴染みのWeb制作会社・広告会社はあるが、Webマーケティング全般の仕組み化を任せられる相手がいない
興味喚起:どこに連れてきて
ninoyaブログ及びSNS
比較検討:どこに誘導して
「集客にお悩みの方へ」or「Web集客コンサルティング」への誘導
申込:どう申し込んでもらい
「無料相談」もしくは「問合せフォーム」
決済:どのように契約を取るか
対面での事例紹介とシミュレーション
このようにして、集客〜決済までの動線を明確にします。この段階で以下のような課題が出てくる場合があります。
- 集客は見込めるけど比較検討で蹴られている
- 申し込みは取れているけど商談に入れない
- 商談まで移れているけど契約が取れない
これらはカスタマージャーニーマップの制作とともに改善案もセットで考えていきます。そうすることで集客だけに寄らない、売上を伴うWebマーケティングを実現します。
コンテンツマップ
キーワードリストとカスタマージャーニーマップを重ね合わせ、書くべき記事の方向性を明確にするツールがコンテンツマップです。以下4項目を表にします。
- メディア名(ブログタイトル)
- カテゴリ
- キーワード
- 仮タイトル
コンテンツマップは書籍を完成物としてイメージします。
- メディア名=書籍名
- カテゴリ=章のタイトル
- 仮タイトル=目次
優れたメディアは書籍と同様に多くの示唆を読み手に与えます。それは俗に言われるすぐれたコンテンツとも同義です。
原稿のクオリティはこのコンテンツマップの精度が大半を握ります。ここは焦らず時間を掛けて取り組みましょう。
以下は一人Web担教習所の例です。
記事の執筆
ここまで揃ったらいよいよ記事の執筆です。先ほどコンテンツマップを本に例えましたが、記事タイトルが目次であるならば本文はアンサーです。何はなくとも、答えを込めることを重視してください。
しばしば「ノウハウを開示したら商売上がったりでは?」と尋ねられますが逆です。ノウハウを見て実行できる人であれば、それは潜在客ではありません。情報も対価も開示するところに集まります。
以下は記事執筆時にしばしばクライアントに伝える要件です。
- 原稿のボリュームは原稿用紙3〜4枚が目安(1,200〜1,600文字)
- 大事なのは長さよりもユーザーの検索意図に答えること
- 執筆前に1〜10位のページを読み検索意図を紐解く
- 書くべきは客観よりも主観。但し、仮説ではなくファクトに拠る
- 記事においては自社独自のノウハウを込める
- 1記事、1キーワード、1アンサー
- 記事内で商材を売らない。知識を持ち帰ってもらう
執筆にあたって文章の上手さはそこまで重要ではありません。速報性も不要です。それらはニュースサイトや大手サイトで担保できるからです。
ユーザーがあえて企業のブログを読みに来た理由はどこにあるのか。それを考えれば自ずと答えは見えてきます。
次回はもうひとつの動線、SNSからの具体的な集客方法を解説します。サイト下部より弊社SNSあるいはメールマガジンをご登録の上、更新をお待ちください。