こんな話題も出てくるくらいには、CMSとしては文字どおりの「世界基準」となりつつある、「WordPress」。先日も、実際にWordPressが利用されているサイトをご紹介しましたが、その勢いはとどまるところを知りません。
他方で、初心者向けのウェブサイト作成ツールとして評判のサービスとして、「Jimdo」があります。2013年にはサイト数が1000万を突破し、今年10月からはテレビCMも展開。名前を目にする機会も増えてきたのではないでしょうか。
WordPressとJimdo、いずれも無料で利用できるCMSサービスとして有名ですが、どのような違いがあるのでしょうか? それぞれの特徴について、ご紹介します。
Jimdoの特徴
Jimdoは、2007年のドイツ生まれ。日本ではKDDIウェブコミュニケーションズの協力によって、2009年にサービスが開始されました。そのサービス内容をざっと羅列すると、次のような特徴があります。
・基本無料
・HTMLをはじめとする専門知識は不要
・スマートフォンの専用アプリから簡単に更新できる
・専門スタッフによるサポートあり
Jimdoのもっとも大きな魅力は何かと聞かれれば、直感的な操作による「手軽さ」だと言えるでしょう。
HTMLやCSSなど、これまでのホームページ制作において必須とされてきた知識はゼロでもOK。画面上でのドラッグ&ドロップによってページ構成をカスタマイズし、あとは文章や画像を挿入するだけ。
ネット・ウェブ事情に詳しくない全くの素人であっても、感覚的にサイトを作ることができてしまいます。また、デザインテンプレートも170種類以上と豊富なため、イチからサイトデザインを考える必要もなく、自分の好みで見た目をカスタマイズすることが可能です。
ただし、サービス側でそれだけテンプレートが用意されているということは、逆に言えば、その範疇でしかページデザインができないということでもあります。デザインの自由度や拡張機能の数でWordPressと比べると、どうしても見劣りしてしまう点は否めません。
WordPressの特徴
ご存知、WordPressは、オープンソースのブログソフトウェア。有名なブロガーやアフィリエイターの多くが愛用していることからも、「個人でブログ・ホームページを開設するのならWP!」と全力で勧めている人も少なくありません。
WordPressの最たる特徴はと言えば、それが「オープンソース」であるという点。オープンソースとは簡単言えば、ソフトの開発に必要なソースコードなどの情報が誰でも見られるようになっており、ユーザーが自由に開発・再頒布することができるようになっているものです。
つまり、サービスを提供する側によって用意されたテンプレートだけでなく、世界中のユーザー各々が作ったデザインや拡張機能を公開し、誰もが広く共有して使えるということ。
それゆえにサイトデザインの自由度は圧倒的に高く、一見しただけでは、同じWordPressを使っているとはわかりません。本記事の冒頭でもご紹介したように、企業や官公庁のサイトでも当然のように採用されており、CMSとしての地位は確たるものになったとも言えるでしょう。
もちろん、それだけ自由度が高いということは、各種機能を導入するためにはある程度の知識が必要となります。最低限の知識としてPHPとHTMLは必須となりますし、カスタマイズ中に発生した不具合は自分で対処しなければなりません。
まとめ
こうして見ると、「Jimdoは初心者向き」「WordPressは玄人向き」といったようにも見えますが、前提となる「知識」の有無によって、どちらのCMSを選ぶかの基準とするのはありだと思います。
“はじめてのホームページ”を作ろうとするのであれば、Jimdoであれこれとデザインをいじりながら学んでいくのも悪くありません。実際にカスタマイズしながらウェブサイトの構成やHTMLを学んでいくことで、自分でいろいろと作りたくなってくる……なんてこともあるかもしれませんし。
WordPressの場合も、自分でいじりながら勉強していくという方法もありますが、問題が発生したときの対処はやはり面倒だと聞きます。ただ一方では、ユーザーの多いサービスであるため、ハウツー本が見つけやすかったり、頻繁に勉強会が開催されていたりというメリットもあります。
他にも、個人でブログを始めようとするのであれば、各種無料サービスを利用するのも選択肢のひとつです。いずれにせよ一長一短はありますので、実際に使ってみながら、自分に合ったサービスを探すのが最善かもしれませんね。