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【編集者インタビュー】大田原恵美さん(朝日新聞出版)「”勉強だけができる子”ではなく、”自分で学ぶ子”に育ってもらうために」

書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。

 

書籍:「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!

「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!
富永雄輔
朝日新聞出版
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編集者:大田原 恵美さん

 

 

 

───最初に今回の企画の企画書をご覧になったときの印象はどうでしたか?

どんな点に魅力を感じて、書籍化しようと思われましたか?

 

大田原恵美さん(以下、敬称略):2015年の春に企画書を拝見した際、「入塾テストがなく先着順で塾に入れるのに、有名中学の進学率が高い生徒たちの共通点を掘り起こす」という、企画のポリシーに強く興味をもちました。

通常、合格率の高い塾は、入塾テストがあったりするものです。生徒の学力を伸ばす力のある先生なのだなぁと感心を持ちました。

また、単純に偏差値を上げるというような対処療法的な勉強法でない、「地頭をよくする」ことを重視する姿勢が企画書から感じられたことも魅力でした。

 

───本書には、富永さんの塾長としての経験から紡ぎ出された数々の「伸び続ける子の共通点」がわかりやすく書かれています。中でも大田原さんが一番おもしろいと思われたのはどの部分でしょうか?

 

大田原:おもしろいと感じたのは、例えば「リビングが汚い家庭の子どもは伸びる」「漫画がたくさんある家庭の子は伸びる」「お酒が好きなお母さんの子のほうが伸びる」「がんばらない子は伸びる」など、いわゆる「完璧なお母さん」「優等生な子ども」でないほうがいい、というメッセージにつながる項目がたくさん盛り込まれていた点です。

こうしたメッセージを読んで安心する親御さんも多いのではないだろうかと思います。どうしても「いい学校に行かせたい」と思うと、力が入ってしまって、子どもに「勉強をやらせる」スタンスになってしまいがちな親御さんの心に響くのではと感じました。

 

───改めて、富永さんの著者としての魅力を教えてください。

 

大田原:富永先生は、スペインで幼少期を過ごしており、スペインで受けられた教育と比較して、日本の教育を客観的に見ておられます。そのうえで、単なる詰め込み型ではなく、やる気をもって自ら学べる子になってほしいという思いのもとに、長年、塾で教えておられる様子が非常に素晴らしいと思っていますし、このスタンスがにじみ出る書籍にできればと思いました。

実際、先生と打ち合わせをして生徒とのエピソードをうかがっていると、単純に学力を伸ばすのではなく、「自分から考える子ども」もっといえば、「自分で課題を見つけてくる子ども」を育てたいんだなと感じました。それは小学生の生徒たちに塾のトイレ掃除をさせていることからもわかります。

トイレ掃除は、きれいにやろうと思うと、工夫が要ります。最初は下手だった子供も、自分たちで考え、工夫していくうちにトイレ掃除が上手になるといいます。

このように、自ら考え、課題を見つけ、課題を克服する方法を考える子どもこそが、本質的に「伸びる子」なんだろうな、ということが富永先生と話しているとわかります。

そして、それは勉強だけでなく「サッカーも仕事も同じ」と話す先生の言葉に説得力がありました。

勉強はもちろんのこと、大人になってからも必要な力が身に着く塾だなと感じました。

 

───タイトルや構成、表紙のデザインなど類書と差別化するために工夫された点を教えてください。

 

大田原:「入塾テストがなく先着順で塾に入れるのに、有名中学の進学率が高い子の共通点」という、富永さんが普段から大事にされている企画のポリシーがわかりやすく読者に伝わるタイトルにしたいと感じました。

そのため当初は「急激に伸びる子」という言葉を考えました。ただ、それだけだと、「今現在、成績がいい子はどうなる?」という視点もあり、最終的には「伸び続ける子」という言葉をタイトルに入れました。

また、伸び続ける子を育てるには、「リビングが汚い」「マンガが多い」「お酒が好きなお母さん」のほうがよい、という「いい意味でのゆるさ」が感じられる内容なので、ほんわかした、ゆるい雰囲気が表紙から伝わるように、カバーにイラストを入れるといった工夫を施しました。

 

───本書はどのような方に読んでもらいたいと思われますか?

 

大田原:子どもの将来を考えると勉強ができる子になってほしいけれど、「勉強だけができる子」になってほしくはない。そういう思いを持つ親御さんにぜひ本書を読んでほしいです。

勉強ができる子というよりは、自分で考えて学べる子、といったほうが正しいかもしれません。そんなお子さんに育ってほしいと願う親御さんにおすすめしたいですね。

 

───普段企画を考える際、どんなことを大事にされていますか?

また、今後手がけてみたいテーマがあれば、教えてください。

 

大田原:書き手と企画のテーマがガッチリあった本をつくりたいなと思っています。書き手とテーマがうまくマッチすれば、それだけ読者の心に強く印象を残す本になるからです。

具体的には、心理エッセイ、教育、歴史、などのテーマを手掛けたいと考えています。

 

───「一緒に本をつくってみたい」と思う著者はどんな人物ですか?

逆に、「こんな著者とは一緒につくりたくない」と思うのは、どんな人物ですか?

 

大田原:「一緒につくってみたい」と思う著者は、「やりたいことが一筋、明確にあって、それに対し、一生懸命取り組んでいる人」ですね。

「こんな著者とは一緒につくりたくない」というのはあまりないですが、しいていうなら、「こだわりが強すぎる人」ですかね。ご自身の考えにあまり固執しすぎず、編集者やデザイナーさんを信じられる著者さんがいいなぁと思います。

 

───本作りにエージェントが関わることのメリットにはどのようなことがあると思われますか?

 

大田原:ともすると、編集者は、新しい書き手さんを探すことをおざなりにしてしまいがちなので、エージェントの方々が魅力的な書き手を提案してくださるのはメリットだと感じています。

 

───最後になりますが、ビジネス書作家を目指すメルマガ読者のみなさまに、メッセージをお願いします。

 

大田原:ご自身の大事にしてきた「思い」や、これまで「やってきたこと」をギュッと濃縮した、魂のこもった企画を期待しています。

 

───大田原さん、どうもありがとうございました!

 

ブログをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。

くわしくは企画原稿検討の要項をご覧ください。検討させていただきます。

ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。

鬼塚忠

鬼塚忠

アップルシード・エージェンシー代表。大学在学中に英国留学し、卒業後は働きながら、4年間で世界40か国を巡る。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を経て、独立。「作家のエージェント」として、多くの才能を発掘している。自身でも小説を執筆し、著書に『Little DJ』『カルテット!』『花いくさ』『風の色』等がある。

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