インターネットを巡る旅

ところで映画館の爆音上映っていつから始まったの?

――立川シネマシティはいいぞ。

 

自分のTwitterアカウントでも常々こう書いている僕ですが、東京都立川市の映画館・立川シネマシティの「極上爆音上映」の虜になったのは、2015年のこと。

 

幾度となくトレンドワードに上がっていたのでご存知の方も多いと思いますが、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を友人から勧められて観に行ったのが最初でした。そのとんでもない音の奔流に魅了され、もう「極爆」なしでは生きられない身体に……!

 

ですが、そもそもこの「爆音上映」、いつから始まったものなのでしょうか? 噂には聞いていたものの、はっきりとした原点までは知らなかったので、ちょっと調べてみました。


 

発祥の地・吉祥寺バウスシアター

最近は「爆音」と言えば立川シネマシティの印象が強いですが、初めて「爆音上映」を謳った企画が立ち上げられたのは、吉祥寺バウスシアター。大音量による「体験」と、そこでしか観る(聴く)ことのできない「場」という要素から成り立ったこの企画は、映画ファンの間で話題を呼びました。

 

爆音上映はレーベル「boid」主宰の映画批評家・樋口泰人が2004年からスタートさせた企画であり、ライブ演奏用のサウンドシステムを使って映画を上映する画期性が話題を呼んだ。

バウスシアター閉館にみる映画文化の現在と未来、そして「爆音上映」のこれから – レビュー : CINRA.NET

 

しかし残念ながら、バウスシアターは2014年をもって閉館。現在は「爆音映画祭」として、各地で「爆音」を謳った映画上映が継続されている模様です。

 

そしてもう一箇所、やはり人気が高いのが、立川シネマシティで絶賛展開中の「極上爆音上映」です。

 

「音」にこだわったライブ映像から、「極上音響上映」へ

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立川の映画館 シネマ・ワン&シネマ・ツー|シネマシティ

 

 

――上記のインタビュー記事にたいへん詳しくまとめられているのですが……順に追いかけていきましょう。

 

まずは2009年、きっかけとなったのは、マイケル・ジャクソンの記録映画『THIS IS IT』の「ライブスタイル上映」だったという話です。音響家さんに調整をお願いし、お客さんにはサイリウムを配り、まるでライブハウスかのような“演出”を設けたとのこと。これが大好評となり、同じスタイルの企画が『けいおん!』などでも取り入られたそうです。

 

 

その後、ライブ映像だけでなくミュージカル作品などでも音響を調整した上映がされるようになり、これが「極上音響上映」としてファンの間で話題となります。現在も同ジャンルの作品で「極音」スタイルの上映は継続されており、多くのリピーターを集めているようですね。

 

ファン企画の「爆音上映会」から、公式を巻き込んだ「極上爆音上映」へ

 

そして、「音響」ではなく「爆音」を謳った上映会として最初に企画されたのが、2013年の『パシフィック・リム』。ファン主催による、拍手・歓声・スタンディングOKの大音量上映会はSNSでも注目を集め、大成功を収めます。

 

検索すると、当時の参加者さんの感想もいくつか読むことができますが……なんとまあ、とんでもない熱狂ぶりだったことがわかる、アツい内容となっています。行きたかった……!

 

 

続く2014年、もともと「音楽以外のアクション映画などでも『音』にこだわった上映をしたい」と考えていたシネマシティ・企画室長さんによって、ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』「極上爆音上映」が始まります。その後も、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』『ワイルド・スピード SKY MISSION』などを「極爆」上映し、じわじわと話題に。

 

 

そして翌2015年には、問題作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が上映。

 

それまでは都度都度、レンタルでサブウーファーを増設して上映していたとのことですが、“さらなるクオリティ・アップ”のため、ついに映画館にウーファーを常設するべく導入。アリーナやスタジアムで使われる設備を館内にドドンと設置し、あの音を実現するに至ったそうです(参考:シネマシティ 遠山武志企画室長に聞く 極上爆音上映と「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

 

 

さらに『マッドマックス』の興奮冷めやらぬなか、同年11月からは『ガールズ&パンツァー 劇場版』が封切りに。作品の舞台である茨城県大洗町と合わせて、第二の“聖地”と呼ばれるほどの盛り上がりを見せ、まもなく上映1周年となるにも関わらず今なお人気の作品。リピーターが続出しております。

 

そうだ、立川行こう

そんなこんなで、今回は「爆音上映」についてまとめました。

 

立川シネマシティの「極上爆音上映」の魅力は、それが単なる「大音量」でなく、作品別に最適化された「極上の音響」であることだと思います。ライブ会場の耳が痛くなるような“爆音”が苦手という方でも、立川の“極爆”は問題なく楽しめているという話。普段はあまり意識しない部分ですが、「音」ひとつ取っても、あんなにも差が出るものなんですね……。

 

加えて、シネマシティの会員制度を利用すれば、平日1,000円、土日祝日1,300円で「極爆」を含めた映画が楽しめるというのも嬉しいポイント。僕自身、これまで映画は年に2回も観に行けば多いほうだったのが、今や何度もリピートしちゃっているくらいですし。自分のブログでも書きましたが、本当に、根本から自分の「映画体験」が塗り替えられたと言っても過言ではありません。

 

 

映画を観に行くなら、ぜひ立川で。
――極上爆音上映はいいぞ。

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けいろー

フリーライター。ネットカルチャーと共に育ってきたゆとり世代。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレット等。

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