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【著者インタビュー】奥田 弘美さん「経験談に裏打ちされた”めんどくさい”をなくすスキル。”心のエネルギー漏れ”を防いで人生を活性化させる」

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書籍づくりの現場ではどのような作業が行われているのか。実際に本を出版した著者と、その担当編集者のインタビューを公開します。企画の経緯から執筆・編集・デザイン・売り方まで、生の声をお届けします。

 

書籍:『図解「めんどくさい」をスッキリ消す技術 (仕事、家事、人間関係がすべて楽になる!)』(マキノ出版)

図解「めんどくさい」をスッキリ消す技術 (仕事、家事、人間関係がすべて楽になる!)
奥田 弘美
マキノ出版 (2016-09-15)
売り上げランキング: 306,486

 

著者:奥田 弘美(おくだ ひろみ)さん

精神科医(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家。
1992年、山口大学医学部卒業。精神科医、および都内20ヵ所の企業の産業医として、日々多数の老若男女のメンタルケアに携わっている。精神医学だけではなく、コーチングやアドラー心理学、マインドフルネス瞑想法など、さまざまな手法を活用しながら行う実践的かつわかりやすいアドバイスやカウンセリングが好評。雑誌・新聞などのメディアでの連載や監修、コメント提供も多数行う。また、作家としても活動し、現在までの著作は20冊以上。
奥田弘美オフィシャルHP:http://www.hiromiokuda.net/

 


───本書では「めんどくさいこと」を思い切って手放す、または調整するためのノウハウが紹介されています。「めんどくさいこと」を減らしていくと、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。

 

奥田弘美さん(以下、敬称略):「めんどくさい」と感じることは、一言で言うと「心のエネルギー漏れ」です。つまり「めんどくさい」をたくさん抱えている人ほど、心からエネルギーが漏れているため、やる気やポジティブさが失われてしまいます。

人生の中で「めんどくさい」と感じることを減らしていけばいくほど、イキイキとしたエネルギーが蘇り、仕事もプライベートも前向きに楽しめるようになります。その結果、自ずと良い結果も出やすくなり、人生全体がハッピーになるのです。

本書では、「めんどくさい」を減らすノウハウを紹介するだけではなく、人生を活性化するための考え方や生き方のアイデアを提供しています。

 

───人から何か頼まれごとをされて「めんどくさい」と感じても、今度は「断ることがめんどくさい」と感じる人も少なくないかと思います。そのような人が「心のエネルギー」を減らさないようにするために、心掛ければよいことはありますか?

 

奥田:「断ることがめんどくさい」と感じる裏には、「嫌われたくない」とか「できるだけ良い人と思われたい」といった漠然とした恐れや不安、欲があります。まずは、その心の奥の感情に気づくことが大切です。つまり、心と対話する癖をつけることが必要なのです。

「今回は断らない方が本当に良いのか」と、自分の心と相談してみてください。すると、「めんどくさいを引き受けること」と「断ること」のどちらが、自分にとって本当に大切なことなのかがわかってきます。

あなたのことを大切に考えてくれている人や、対等な付き合い方をしようとする良い人ならば、一度ぐらい断ってもあなたを嫌ったり、遠ざけたりことはありません。逆に、「NO」と伝えることで機嫌が悪くなるとか、態度が悪くなる人というのは、本当に長く付き合う価値があるのでしょうか?

そのあたりも吟味した上で、断るかどうかを検討する癖をつけていただきたいと思います。

そのことを踏まえて「断らない方が良い」と結論が出れば、同じ引き受けるにしても、もっと能動的に「めんどくさくなく」引き受けられると思います。

 

───「人間関係をめんどくさいと考えてはいけない」と思っていました。

人間関係での無理をやめれば、周りの人との関係がよりよいものになっていくのでしょうか。

 

奥田:先述したように、「誰に対しても良い顔をしたい」「誰からも好かれたい」と八方美人系の願望を持ちすぎると、苦しくなるばかりです。とくに日本人は、「誰とでも仲良くしましょう」と、和の教育を幼い時から刷り込まれすぎている傾向があります。

アドラー心理学では有名な言葉ですが、「嫌われる勇気」を持つことも大切です。本書では「人間関係のエネルギー」を4つのパターンに分けて考えることを提案しています。

そのパターンとは、「自分も相手もエネルギーがアップする関係」「自分のエネルギーはアップするが、相手のエネルギーはダウンする関係」「相手のエネルギーはアップするが、自分のエネルギーはダウンする関係」「自分も相手もエネルギーがダウンする関係」の4つです。

「自分も相手もエネルギーがアップする関係」が、本当にあなたにとって必要な人間関係です。そのような人間関係を意識して増やしていくほど、あなたの人生も周りの人たちの人生も、より良くなっていきます。

 

───奥田さんご自身、人づきあいが苦手だったそうですね。本書の中でご紹介されている方法を実践することで、人づきあいに対して、今はどのようなイメージを持つようになりましたか?

 

奥田:「人づきあいは、自分で能動的にセレクトしていくものだ」と考えるようになってから、非常にラクになりました。

若いころは、「誰からも好かれないと自分に欠陥がある」「どんな集団の中でも仲良く付き合えないのは、性格が悪いからだ」と、自分で自分を責めて苦しくなることがありました。

今は、「自分と相手にとって良いエネルギー交換ができる人とのみ、気分よく付き合えれば、それでOK」と考えています。そのため、自分と合わない人や集団には無理して馴染んだり、仲良くしたりしようとしないため、とても楽になりました。

 

───本書にあるように、「めんどくさいことを調整していけばいい」とわかるだけで、心が軽くなる読者も多いかと思います。

本書は、どのような読者に必要とされていると感じますか?

 

奥田:一番読んでいただきたいのは、「真面目で、つい頑張りすぎしまう人」や「気が弱くてNOと言えない人」です。日本人の中には、そのような人がたくさんいます。

それは日本人の美徳でもあるのですが、行き過ぎると自分を苦しめて元気を失わせる元にもなってしまいます。

ぜひ本書を読んでいただくことで、もっと自分の人生を元気に、イキイキと活性化させてもらいたいと願っています。

 

───今回のご執筆にあたって、苦労された点や難しかったことは、どんなことでしょうか?

 

奥田:イラストや図を描くのが苦手だったので、「著者側でイラストをまず考えて欲しい」と言われて、少し困りました。でも、すぐにアップルシード・エージェンシーの山田さんに大いに助けていただきまして、本当に助かりました。山田さん、ありがとうございました!

また、ちょうど多忙な時期と重なってしまったため、執筆が思うように進まないことがあり、悩んだときもありました。本書の編集を担当していただいた河村さんに相談したところ、締め切りを延ばしていただくなどのわがままを受け入れていただきました。

さらに、内容に関するアドバイスをいろいろといただけたので、本当に助かりました。よい編集者の方と出会えて感謝しています。

 

───本書の発売後、周囲やネット上などで、どんな反響がありましたか?

印象に残る感想や意見などがありましたら、教えてください。

 

奥田:とにかく友人や知人、読者の方からは、「わかりやすくて、さっと読めた」「わがままに生きて良いと言われて楽になった」とたくさん言われました。これは著者冥利に尽きると嬉しく思っています。

ネットでは「サライ」に連載していただきまして、好評を頂いているとのことです。

 

───最後になりますが、著者デビューを目指す読者のみなさまにメッセージをお願いします。

 

奥田:私は、本というものは「自分が実践して本当に良かった、効果を感じた」と思うことをお書きになるべきだ、と思っています。私自身のスタンスとしても、いくら有名な知識人や学者が、「良い」「素晴らしい」と言っていることであったとしても、「自分が経験していない、実践していないことは書かない」と決めています。

そして、そのことを勧めるからには、読者の方に対して責任を持つ必要があると思っています。実用書、ビジネス書である限り、「ある人には良いが、ある人には良くないこと」は基本的に書かない方が良いと考えます(もしも、個人的経験談を書く場合は、そこをしっかりと明記しておく必要があるでしょう)。

現在、世の中には売れるために、奇抜なことや目立つことを提案する本が溢れかえっています。しかし、たとえ地味であっても、読者にとって誠実な著者であり続けることが、末永く執筆できるコツでしょう。ですので、ぜひ作家を目指す方にはその点を心掛けていただきたいと思います。

 

───奥田さん、お忙しいところありがとうございました!

 

ブログをお読みの皆さんで、本にしたら絶対売れる!!という企画・原稿をお持ちでしたら、弊社あてにご応募ください。

くわしくは企画原稿検討の要項をご覧ください。検討させていただきます。

ご意見・ご感想は(info@appleseed.co.jp)までお願いいたします。

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鬼塚忠

アップルシード・エージェンシー代表。大学在学中に英国留学し、卒業後は働きながら、4年間で世界40か国を巡る。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を経て、独立。「作家のエージェント」として、多くの才能を発掘している。自身でも小説を執筆し、著書に『Little DJ』『カルテット!』『花いくさ』『風の色』等がある。

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