やさしいWeb集客の話

上司からコンテンツマーケティングの予算を獲得する方法

更新 :

メルマガや無料相談で多いものに、「いかにして上司からコンテンツマーケティングの予算を獲得するか?」というご相談があります。

 

リスティング広告と異なりコンテンツで集客をしようとすると、どうしても費用対効果を示しづらいものですよね。とは言え会社の方向として「広告費を減らして新たな集客プランを立ちあげて欲しい」という要望もひしひしと感じる。さて、どうしたものか。

 

今日はこんなご相談をいただいた際にお話している内容です。

 

コンテンツマーケティングを行うべきなのか?

いきなり身も蓋もないような言い方ですみません。

 

コンテンツマーケティングを行うべき企業は、定義がはっきりしています。

 

①成約単価が高額であること

②クロージング手法が定まっていること

③リスティング広告で集客を担保できていること

 

それぞれに解説します。

 

①平均客単価が高額であること

リスティング広告の効果検証は以下で分かります。

「クリック単価」×「クリック数」×「CVR」=顧客獲得単価

 

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※CVR=コンバージョンレート:webサイトのPVのうち、コンバージョン(問合せ・商品購入等)に至った割合。

 

例えばクリック単価250円のキーワードに広告を出して、毎月1,000人(クリック数)の見込客をHPに集める。これにかかる費用は250,000円ですね。そしてHPに訪れたうちの約1.0%が成約に至るとすると、平均の顧客獲得単価は25,000円/人になります。

 

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あとは商材の客単価がこの25,000円を超えるなら広告を出すべきですし、超えないなら費用対効果に合わないので出稿は見送るという判断をします。

 

コンテンツマーケティングも同様に費用対効果を測れますが、客単価が低いほど投資効果が薄く敢えて取り組む理由がありません。

 

広告は比較的早期に成否を判定できますが、コンテンツからの集客は最低6ヶ月程度は見ないと判断ができません。客単価が低いほど待つリスクが高いのは否めません。

 

上記の例で言えば広告に250,000円/月を掛けている企業が、30%の予算=75,000円/月をコンテンツ制作に割いて、果たして予算以上=300人/月の集客ができるのか?ということです。

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②クロージング手法が定まっていること

もう一つ重要な問題があります。

 

それは、本当に集まった見込客の1.0%が変わらず成約に至るのか?という問題です。

 

成約率の高いランディングページを運用している場合は問題ありません。しかし、CVRを正確に把握してなかったりブレが大きい場合には、コンテンツマーケティングと成約手段の確立をセットで行わないといけません。

 

そうするとクロージングのための導線作りやABテストに相応の予算が必要になるのですが、コンテンツ制作に予算を全額充てた結果低い成果しか上がらず、「コンテンツより広告」という結論に至るケースは少なくありません。

 

※ABテスト=本文中のテキストやバナーを一定期間ごとに差し替え、クリック率やCVRを測定し成約率を上げる手法。

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③リスティング広告で集客を担保できていること

見込客を潜在顧客と顕在顧客でざっくり分けた場合、コンテンツマーケティングは明らかに前者に対する施策です。

 

「購買意欲」がはっきりしているキーワードには広告を、意欲が曖昧な状態での検索キーワードに対してはコンテンツを配するのがwebマーケティングの基本です。

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webマーケティングの予算を100とすると、潜在顧客に対して全てを割くのも好ましくはありません。

 

例えば予算の6割は広告に充てて最低限の顧客数はキープする。一方で、先々の広告予算を削減するために残りの4割をコンテンツマーケティングに割くという按分が必要です。

 

それを実行するには、リスティング広告で一定の集客が担保されていることが前提になります。

 

予算のない会社にコンテンツマーケティングは意味がないのか?

ここまで前提条件をお伝えしました。

 

こう書くと予算が潤沢な企業しかコンテンツマーケティングに取り組んではいけないと示しているようですね。実際にはそうではありません。

 

先に掲げた①・②・③の条件を満たしてさえいれば、月額予算100,000円でも充分に成果を上げることが可能です。特に集客をリスティング広告に100%依存している場合は目に見えて変わります。

 

経営における売上のポートフォリオと同じで、一つの手法に全マーケティング予算を充てるほどリスキーなことはありません。それは上司の方も充分に理解されるところでしょう。

 

コンテンツマーケティングを行うべきかの判断

結論としては、以下の流れでヒアリングをしています。

 

1)潜在顧客と顕在顧客に対しての予算の按分

2)リスティング広告の予算、クリック単価、平均客単価の確認

3)クロージングまでの導線と営業手法、CVRの確認

4)SNSの運用状況

5)投資予算を担保するために必要な露出量

 

モデルケース

次のようなご相談をいただいたとします。

 リスティング広告に100万円/月の予算を割いている。クリック単価の高沸もあり、コンテンツを通じて自社の魅力を発信することでプル型の集客を行いたい。

 

1)1潜在顧客と顕在顧客に対しての按分の確認

コンテンツマーケティングに新たに40万円を割く。

※予算100万円の4割という考え方ですが、実際には予算の追加か鞍替えで捻出する企業が多いです。

 

2)リスティング広告の予算、クリック単価、平均客単価の確認

リスティング広告予算:月額100万円

クリック単価:270円

訪問者数:約3,700人(広告予算÷クリック単価)

 

3)クロージングまでの導線と営業手法、CVRの確認

CVR(年間平均):約1.8%

 

「クリック単価」×「クリック数」×「CVR」=顧客獲得単価

270円×約3,700人×1.8%=18,000円

 

4)SNSの運用状況

Facebookページのアカウントは持っているがあまり投稿はしていない。

いいね!数は300少々。

 

5)投資予算を担保するために必要な露出量

予算から約1,480人/月をコンテンツから集めることが、まずは直近の目標になります。

※予算100%(約3,700人/月)に対する40%(約1,480人)

 

まとめ

上司への提案に当たり、コンテンツマーケティング実施における判断のプロセスを単純化してご紹介しました。予算の獲得を検討されている方の一助になれば幸いです。

 

今回の事例では追加予算という流れでご紹介しましたが、個人的にお勧めするのは少額でのトライアルです。

 

新しい集客施策に取り組むのは、担当者はもちろん、上司も、経営者も、サービスを提供する弊社自身も少なからず不安はあるものです。しかし、いくら机上の数字を睨んだところで最終的には確率論で終わります。

 

まずは少額でも良いので始めてみて「あれ、何か風向きが変わってきてる?」と現場の営業や、バックヤードの方に感じていただくことが肝要です。

 

コンテンツマーケティングの最大の魅力は露出や成約以上に、プル型集客が成立することに対する自社スタッフの期待です。それは営業や採用、あるいはカスタマーサポートなど、現場の最前線に顕著に現れます。

 

社内の期待と、未来を示す確かな数字。この2つがあなたの不安を打ち消す指針になります。

 

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古越 幸太

「もともと何されてたんですか?」→「公務員保育士です」で、初対面の方でも5分は話せるのですが、次に続く鉄板の雑談ネタがないのがここ10年来の悩みです。

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